恋愛小説の名手として、若い女性読者から高い支持を得ている直木賞作家の江國香織(えくにかおり)さん。
「恋愛小説の女王」と呼ばれる今では意外に思いますが、自身は恋愛に奥手だったそうです。
結婚した夫はどんな男性なのか気になりますね。
離婚の噂もありますが、その真相や最近の状況も探っていきたいと思います。
物書きの道に進んだのは、エッセイストだった父の影響もあるのでしょうか。
江國香織のプロフィール
本名:江國香織
生年月日:1964年3月21日
出身地:東京都新宿区
最終学歴:目白学園女子短期大学国文学科卒業
江國香織は価値観が正反対の夫と結婚
「恋愛小説の女王」といわれる江國香織さん。
私生活でも百戦錬磨かと思いきや、ご本人は女子高育ちで奥手だったそうです。
19歳までデートをしたことがなかったといいますから驚きますね。
1994年に29歳で銀行員の男性と結婚していますが、夫は読書を好まず、食事や音楽の好みも違っていて、180度価値観の異なるタイプなのだそう。
また、自分が一日中在宅で仕事をするのに対し、夫は出勤する会社員。
生活リズムが違うこともあって新婚時代は心労が多く、体重も激減したそうです。
結婚生活を綴った『いくつもの週末』は、作家ならではの観察眼で夫婦の性格の違い、葛藤、心理に鋭く踏み込んだエッセイ。
タイプの異なる人間同士の生活はままならないこともあるけれど、帰る場所があるのは幸福と述べています。
夫婦だけど孤独を感じる?
結婚すれば、パートナーと一緒に暮らすことになります。
誰かと一緒なら、孤独を感じる時間はぐっと少なくなりそうですが、江國さんの場合は違うようです。
「いくつもの週末」江國香織
「一人の孤独は気持ちがいいのに、二人の孤独はどうしてこうもぞっとするのだろう。」
結婚したということは、一人でいないことを選んだということ。幸福も衝突も淋しさももたらしたその決断の甘やかさとほろ苦さ。著者の結婚生活が、軽やかに、そして鮮やかに綴られます。 pic.twitter.com/ZjdFN5hTdQ— ゆう@読書垢 (@yu_reading) June 10, 2020
2人いるはずなのに孤独を感じる理由は、やはり価値観が違うからなのでしょう。
趣味も生活リズムもまったく違う旦那さんだと、夫婦生活といっても、結局は別々に何かをすることが多くなるはず。
また、同じ空間で同じことをしたとしても、感じていることや見ているものがお互いに違えば、話がかみ合わないことも多いでしょう。
そうした理由から、同じ家で夫婦として暮らしていても、1人のときと変わらない感覚になるのかもしれません。
間違いなく2人いるはずなのに孤独というのは、よく考えると不気味な感じもしますね。
江國さんがぞっとする気持ちもわかる気がします。
夫婦だからといってすべてが同じとは限りませんが、あまりに違うとやはり寂しいものですよね。
好きな音楽も好きな食べ物も好きな遊び方も全然違う。全然ちがってもかまわない、ちがう方が健全だとも思っているのだけれど、ときどき、一緒ならよかったのに、と思う。なにもかも一緒ならよかったのに。
江國香織「いくつもの週末」より
夫婦って難しいね…#おは戦50125js 🌊#いつなか#朝活— はれた@手帳作る人 (@HARETA7272) January 24, 2023
とはいえ、相手とまったく合わないことは、交際中からわかっていたはず。
あらゆることがすれ違う夫婦生活を結婚前に想像するのは、決して不可能ではなかったでしょう。
ときには、「ここまで合わないと人とは無理かも」といった考えが頭をよぎることもあったのではないでしょうか。
それでも結婚を決意したのは、旦那さんへの想いが強かったからかもしれませんね。
価値観の違う夫婦生活が読者に影響を与える
すべてが合わない旦那さんとの生活では、苦しさを感じることも多い様子の江國さん。
前述した新婚の頃などは、相当大変だったみたいですね。
しかし、そんな夫婦生活を綴ったエッセイに、共感する読者もいます。
同じように価値観の違う夫と暮らしている女性は、「わかるわ」と思う部分が多いのでしょう。
違うからこそ見えてくる魅力についても、似たような生活を送る人にはわかるようですね。
江國香織さんの小説で、
傷と汚れ に対して旦那様との価値観を綴っていたのを思い出しました。
^_−☆ 価値観の違う中での会話こそ
極上な至福はないです。因みに私はプラスチックの日前日はそわそわなのに、
ダンボール捨てる前日は尻が重く
旦那に意味不明と(^ー゜)— chili tomato (@chilitomatoo) June 20, 2017
また、夫婦生活の悩みを抱える人にも、エッセイの内容はかなり刺さっているみたいです。
同じつらさを経験している江國さんのエピソードが、心を軽くしたり、励ましたりしてくれるのかもしれませんね。
いくつもの週末/江國香織・著
著者自身の結婚生活にまつわるエッセイ。夫との関係で悩むことがあった時に読み返している。
読んで必ず立ち直れたり絶対励まされるわけじゃないけど、喧嘩した時によしよしって頭撫でてくれたり、分かり合えずに悲しい時に寄り添ってくれるような1冊📖 pic.twitter.com/ZIXvZ7rfyu— みゃお🧸やさしい暮らし (@myaooo_42) September 1, 2020
江國香織に離婚の噂が浮上。子供がいない理由は?
夫と価値観が違うことを公言しており、テレビ番組では「子供を持つのが怖かった」と発言したこともある江國香織さん。
離婚の噂が浮上したのはこうした背景があるからでしょう。
出産とは愛する人間が増えることで、それは取りも直さず心配ごとも多くなるということ。
そうした心配ごとで手一杯になってしまうと観察者でいられなくなり、小説が書けなくなるのではと危機感を抱いたそうです。
観察者とは、傍観者的な冷静さで物ごとを観察できるもう一人の自分を意味しているのでしょう。
また、冬に夏の情景を執筆していた時、うっかりTシャツ姿で外出してしまったこともあるといいますから、執筆中は物語の世界に没頭してほかのことが目に入らなくなるのかもしれません。
離婚を心配する声はあるものの、2023年現在夫妻は離婚していません。
ほかの女性にはチョコレートを贈らないと夫に約束させるなど微笑ましいエピソードもありますので、噂が独り歩きしているだけのように思えます。
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江國香織の父はエッセイストの江國滋
父はエッセイストで演芸評論家の江國滋さんです。
文筆業に専念する前は新潮社で『週刊新潮』の編集に携わっていました。
主な著作に『落語手帖』『落語美学』などがあります。
両親は読書好きで、江國香織さんは本に囲まれた環境で育ちました。
家族全員、本を読むのが当たり前。
幼少時から本が身近にあったことは大きく、父の影響はあると思うと明かしています。
父の書斎の本は自由に読んでいいと言われており、なかでも夢中になって読んだのが串田孫一さんの『文房具』。
以降、父は串田孫一さんの他の著作をくれるようになったそうです。
江國滋さんは1997年に食道癌の手術を受けましたが、手術の合併症により8月10日に62歳でこの世を去りました。
江國香織の最近の状況
旅行などの例外を除けば毎日執筆をしているという江國香織さん。
毎朝2時間の入浴は読書タイム。
50歳を迎えた時に何度目かのチャレンジでピアノも再開しました。
読書をしている時とピアノを弾いている時がいちばん素に戻れるのだそう。
午前中から仕事をはじめ、夜の7時か8時頃まで集中するそうです。
作家活動など続くわけがないと思っていた頃は求人をチェックするのが習慣でした。
これが癖になってしまったのか、今でも時おり求人を見てしまうとのこと。
もちろん本気で仕事を探しているわけではなく、もし小説家をやめることになったら良い妻になりたいと話しています。
2004年には『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞した江國香織さん。
これから年齢を重ねるとともに、さらに円熟味を増した江國ワールドをみせてくれそうです。
江國香織の経歴まとめ
みずみずしい感性と洗練された作風が人気の江國香織さん。
1964年3月21日生まれで、東京都出身です。
目白学園女子短期大学国文学科卒業後、アテネ・フランセを経て、アメリカのデラウェア大学に1年間留学しました。
20歳の頃から雑誌に作品の投稿をはじめ、1987年に童話作家として執筆活動に入ります。
長編小説1冊目の『きらきらひかる』をはじめ、『間宮兄弟』『東京タワー』など数作品が映画化されています。
今夜の 映画は
間宮兄弟
佐々木蔵之介 好きだわ。#映画#間宮兄弟 pic.twitter.com/zn2iUZLdag
— 仁尾祥吾 / 水星 SUISEIcoffee (@nionio4923) May 29, 2015
不倫愛を描いてもドロドロ感がなく、美しい恋に昇華させるのが江國ワールド。
江國作品といえば、映画化された『冷静と情熱のあいだ』も忘れられませんね。
1999年に刊行され、ベストセラーとなった小説です。
江國香織さんが女性主人公の視点で、辻仁成さんが男性主人公の視点で描く手法がとらています。
相当久しぶりに「冷静と情熱のあいだ」をみた。
活字フリークみたく読んでた小説の映画版でキャストもストーリーも景色も音楽もすべてが素晴らしい🥰
小説の方が内容は濃いけど2時間で辻さんと江國さんの世界に入れる映画も良き#竹野内豊#ケリーチャン#ユースケサンタマリア#椎名桔平#篠原涼子 pic.twitter.com/8wS92rn1pY— Kenken (@Kenken77565321) January 7, 2020
それぞれ「Rosso(ロッソ)」、「Blu(ブリュ)」として出版されました。
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