新井素子の夫と子供について。吾妻ひでお・星新一との関係&経歴まとめ

高校生の小説家という話題性や斬新な文体がデビュー時に注目を浴びた新井素子(あらいもとこ)さん。

ライトノベルの先駆けといえる小説家ですね。

ここ最近は、膨大な量の蔵書とぬいぐるみに囲まれた驚きの私生活にも関心が寄せられているようです。

夫はどんな人で、夫妻に子供はいるのでしょうか。

また、勘違いされがちな吾妻ひでおさんとの関係も明らかにしていきます。

デビューを後押しした星新一さんや経歴についてもまとめます。

新井素子の夫はどんな人?子供はいる?

新井素子さんは1960年8月8日に東京・練馬区で生まれました。

「新井」は旧姓で、結婚後の本名は手嶋素子さんです。


二人の祖父も両親も講談社勤務という講談社ファミリーだったため自宅には大量の本があり、物心ついた時から読書に親しんでいたそうです。

幼稚園の頃からストーリーを作りはじめ、中学時代は自作小説をクラスで回覧。

高校2年の時に『あたしの中の……』が奇想天外SF新人賞の佳作に選ばれてデビューします。

初期の頃は、女子高生が自分の言葉で話しているようなくだけた文体が新鮮でした。

例えば一人称が「あたし」、二人称が「おたく」。

高橋源一郎さんは「新口語文」と呼んでいます。

作家としてのスタートはSF専門誌でしたが、のちにコバルト文庫のジュニア小説や『結婚物語』などのコメディも手がけるようになっていきます。

『結婚物語』は沢口靖子さん、陣内孝則さん主演による80年代の同タイトルのドラマの原作。

小比類巻かほるさんが歌う主題歌『Hold On Me』が大ヒットしました。

立教大学在学中も作品を発表し続け、卒業後は専業作家に。

私生活では1985年に手嶋政明さんと結婚。

政明さんは学生時代からの恋人で、出版関係の広告代理店に勤務しており、文庫本の解説や書評を書いています。


下北沢にあった新婚の家は狭く、本の収納に頭を抱えたという夫妻。

引っ越しを繰り返した末、1996年に練馬区に新居を建築しました。

約3万冊の蔵書と4000体を超えるぬいぐるみと暮らす毎日。

重量に耐えられるように、2階建てにもかかわらず重量鉄骨造りにしたそうです。

本棚は、踏み台や脚立を使わなくても上まで登れるように工夫したのだそう。

25歳で結婚した新井素子さんですが、インタビューで子供はいないと発言しています。

そのため、夫婦亡きあとのぬいぐるみたちの行く末をあれこれと思案中なのだとか。

お葬式の参列者に形見分けとして持ち帰っていただくというのも案のひとつ。

けれども、仮に500人参列したとしても3500体が残ってしまいます。

「お一人様につき〇体希望」と条件をつけておくしかなさそうですね。

新井素子と吾妻ひでおの関係の真相は?

『ふたりと5人』『ななこSOS』などで知られる漫画家の吾妻ひでおさん。

食道がんを公表していましたが、2019年10月13日に69歳で帰らぬ人となりました。

生前、『ひでおと素子の愛の交換日記』などの新井作品にイラストを提供したり、「ひでおと素子の愛のトークイベント」と題したイベントを開いたりしていたことから、吾妻ひでおさんが夫だと思っている人もいるようです。

このタイトルでは誤解を招くのも無理はありませんね。

『ひでおと素子の愛の交換日記』は新井素子さんが大学在学中に綴った明るい生活エッセイ。

吾妻ひでおさんとの絶妙なコラボレーションが話題を呼んだ作品です。

新井素子のデビューのきっかけは星新一

星新一さんもすでに故人です。

まだ「SF」というジャンルが確立していなかった頃から多くの読者の支持を得ていた小説家で、「SF御三家」の一人でした。

「神様」と称されたショートショートについては生涯で1000編以上の作品を残しています。

ショートショートとは、原稿用紙10数枚の短い読み物のこと。

今回初めて知りましたが、祖母が森鴎外の妹にあたります。

奇想天外SF新人賞をきっかけにデビューした新井素子さんですが、審査員の星新一さんは『あたしの中の……』を高く評価し、最優秀作に推していました。

佳作となったのは、同じく「御三家」である小松左京さん、筒井康隆さんらが文体に違和感を覚えたためといわれています。

新井素子さんはもともと星新一さんのファンであり、SF初体験が『妖精配給会社』でした。

一方の星新一さんは、新井さんの父と東京大学農学部で同級生だったことを知ります。

こうした経緯を経て、星新一さんの強い推薦で作家デビューを飾りました。


恩人の死後、アンソロジーを編んでほしいという依頼があり、2007年に『ほしのはじまり』を刊行。

新人賞の応募原稿は3回以上呼んだという星新一さんにならい、1000編を超えるショートショートを3回ずつ読んだそうです。

新井素子の経歴まとめ

1973年、練馬区立開進第四中学校に入学。

『妖精配給会社』を読んでSFに目覚めたのは中学時代でした。

1976年、都立井草高校に入学。

2年の時に奇想天外SF新人賞で佳作入選、作家デビュー。

1979年、立教大学文学部ドイツ文学科に入学。

志望動機はトーマス・マンを原書で読みたかったから。

1980年、『いつか猫になる日まで』でコバルト文庫に初登場。

1981年、『グリーン・レクイエム』で星雲賞・日本短編部門を受賞。

1982年、『ネプチューン』で星雲賞・日本短編部門を2年連続で受賞。

1983年、日本推理作家協会に入会、立教大学を卒業。

1999年、『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞。

2001年、集英社スーパーダッシュ小説新人賞、日本SF新人賞の選考委員に就任。

2009年、日本SF作家クラブの第15代会長に就任。

2014年、星新一賞の選考委員に就任。


2017年、デビュー40周年。

子供の頃の夢は、一日中読書していられる仕事をすることだったという新井素子さん。

10代から20代にかけて発表された新井作品を手に取り、主人公の成長を追体験するように、ともに成長してきた読者も多いのではないでしょうか。

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