人気SF作家として、長年第一線で活躍してきた筒井康隆(つつい やすたか)さん。
2020年、一人息子の筒井伸輔さんが亡くなりました。
今回は伸輔さん死去の詳細、がんだったという情報に迫ります。
併せて康隆さんの孫について確認します。
筒井康隆のプロフィール
本名:筒井康隆
生年月日:1934年9月24日
身長:166cm
出身地:大阪府
最終学歴:同志社大学文学部美学芸術学科
所属事務所:ホリプロ
筒井康隆の息子、筒井伸輔
まず康隆さんの息子、伸輔さんについてまとめます。
伸輔さんは1968年生まれの画家です。
昆虫の死骸をトレース、着色して、見事な芸術作品に仕上げる手腕がありました。
蜜ろうを使ったカラフルな昆虫の絵は目を引きますね。
現代美術家の筒井伸輔さん(作家の筒井康隆さんのご子息)の作品です。昆虫などの死骸を顕微鏡で拡大、形をトレース・再構築したのちに、着色した蜜蝋を使用して絵画作品に仕上げています。 pic.twitter.com/ZJ45r7gjdm
— 灯 (@akari_st) March 4, 2015
兵庫県神戸市で育ち、武蔵野美術大学油画科を卒業。
作家の息子らしく読書家で、澁澤龍彦や森茉莉の作品を好んで読みました。
しかし父の作品には興味がなかったそうです。
それでも筒井作品のハードカバーデザインや挿絵を担当してきました。
筒井康隆さんの『モナドの領域』カバーの絵は筒井伸輔さん。ハチの仲間かな? キレイな色だなあ。本物を見たいなあ。 pic.twitter.com/rEV57Ta8wx
— 信天翁 (@ahoudorisan) December 1, 2015
2012年より朝日新聞で連載された、康隆さんの連載小説『聖痕』の挿絵を覚えている方もいるでしょう。
おとといから新連載「聖痕」作者は筒井康隆、イラストはなんと子息筒井伸輔さん、親子共作素敵。しかしストーリーはとりあえず三回までだけど、朝から強烈。前回の連載は中学生のいじめがテーマ。今回のテーマは…早く明日が来ないかな。 pic.twitter.com/frJxX3fb
— ETSUKO-3 (@kuchicominist) July 15, 2012
父のことは作家としてではなく、あくまで身内として認識し、仕事に協力していたのかもしれませんね。
あまりに本が好きなので、古本屋を開業したいと考えたこともあったそうです。
しかし本の世界には父がいるので、自身はあくまで絵の道を突き進んだ印象があります。
妻の岩崎智子さんも画家です。
康隆さんの作品『佇むひと』では、角川文庫版の表紙デザインを担当しました。
筒井康隆著『佇むひと』
「バタフライ和文タイプ事務所」が漢字の表象による官能なら、この表題作は恐怖、です。
実在しないが意味はわかる不気味な漢字が現れ、作品の舞台の異様さが徐々に判明します。
悲鳴·効果音の映像ホラーとは違う戦慄。人を変えてゆく監視社会の狂気を疑似体験しました。#読了 pic.twitter.com/wHfn57l2kO— You Can Read It/ユーキャン (@You_Can_Read_It) October 2, 2019
夫婦そろって絵の道を進み続け、筒井作品のヒットに貢献してきたといえるでしょう。
筒井伸輔の死去、死因はがん
次に伸輔さん死去の詳細に迫ります。
伸輔さんは、2020年2月24日、51歳の若さで逝去。
残念ながら、同年開催の個展を見ることは叶いませんでした。
ミヅマアートギャラリー「筒井伸輔展」006
筒井康隆さんのご子息でもある筒井伸輔さんは、2020年2月24日、今回のご自分の個展をみることなく51歳の若さで亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りします。そしてコロナ禍のなか、この展覧会を開催してくれたミヅマアートギャラリーに感謝致します。 pic.twitter.com/4gViAVbPm9— 岡田昌浩 (@triparaace) June 18, 2020
死因は食道がんです。
亡くなる前日に突然喀血し、苦しみ始め、神奈川県の病院へ救急搬送。
両親は住んでいた神戸から急いで到着したものの、臨終には間に合いませんでした。
康隆さんのブログ「偽文士日碌」によると、伸輔さんは約1年前から、ものが食べにくいと感じていたそうです。
病院を受診すると、ステージ4の食道がんだとわかりました。
あらゆる手を尽くしたものの、既に気管支やリンパ節にも転移していたそうです。
しかし「こんなに早く死ぬなんて」と、康隆さんは苦しい胸の内を明かしています。
食道がんは初期症状がほとんどないものの、大腸がんや胃がんより進行が速いそうです。
伸輔さんも、最初は軽い食道炎と思い放置していたため発見が遅れました。
結果、あっという間に転移してしまったのです。
才能ある芸術家として、これからさらに円熟していくはずだったことを思うと、伸輔さん自身が最も悔しかったでしょう。
一人息子に先立たれ、悲しみに暮れた康隆さん。
2021年1月7日発売の「新潮」2月号に、新作小説『川のほとり』を掲載しています。
原稿用紙10枚の短い小説ですが、死別した息子への思いに満ちた感動作だと話題です。
自身を投影させた主人公の作家が夢の中で、伸輔という名前の死んだ息子と再会するストーリー。
息子の名前をそのまま使用したところに、深い悲しみと彼への愛を率直につづろうという思いが垣間見えます。
最も愛する存在との別れを乗り越え、次に進む決意ができたのでしょう。
筒井康隆の孫
最後に康隆さんの孫について確認します。
康隆さんは「中央公論」2014年6月号で、『孫自慢』という文章を寄稿しました。
文中の記述によると、14年時点で小学生の孫がいるとのこと。
男の子で、2023年現在は高校生かもしれません。
いつも本を読んで、さかなクンに憧れている、やや風変わりな小学生だったそうです。
いじめられそうになると、相手に抱き着くことで回避する得意技もあり、愛されキャラなのかもしれませんね。
父を失っても、悲しみを乗り越えて、元気に成長して欲しいです。
息子を失った文壇の鬼才は、新たな境地に至った作品を生み出すかもしれませんね。
関連記事
筒井康隆は天才?てんかん騒動と村上春樹への影響。書斎、家は原宿の豪邸
筒井道隆、結婚発表はないが独身ではない?子供なし?好きなタイプや彼女の噂&性格は真面目
コメント