あたたかな眼差しで現代の家族を描き、小学生から大人まで幅広い年齢層に支持されている直木賞作家の重松清(しげまつきよし)さん。
それゆえに映像化作品も多い作家ですが、とくに読者に人気の高い小説をチェックしてみました。
妻はどんな方なのか気になるファンや、以前より痩せたと思う読者もいるようです。
生い立ちや経歴についてもみていきます。
重松清の妻について。以前より痩せた?
さまざまな世代の人間を主人公に据え、読者の胸を打つ家族の物語を描いてきた重松清さん。
人間の心のひだや、つらくリアルな現実を描く筆致は鮮やかで、読む人の感情をこれでもかと揺さぶります。
1963年生まれの重松清さんは出版社勤務後にフリーライターとなり、さまざまなペンネームを用いて、映像作品のノベライズ、ゴーストライター、雑誌記者などでキャリアを重ねてきました。
ドラマ『101回目のプロポーズ』、映画『キッズ・リターン』のノベライズも重松さんによるものです。
小説家としてのデビュー作は1991年の『ビフォア・ラン』。
メディアミックス作品のひとつである『流星ワゴン』は『本の雑誌』による年間ベスト10の第1位に輝き、100万部を突破。
また直木賞、山本周五郎賞、吉川英治文学賞など華々しい受賞歴があり、2023年現在は早稲田大学の教授を任期つきで務めています。
【2/16(土) BOOK】
重松清さんの新作「木曜日の子ども」を
大変貴重な重松さんご本人インタビューをまじえ特集します!
TBSアナウンサー笹川友里がお話を伺ってきました。ぜひご覧下さい。
#重松清 #木曜日の子ども #笹川友里 pic.twitter.com/f2yuNH4rx1— 王様のブランチ (@brunch_TBS) February 14, 2019
【流星ワゴン】重松清
後悔しても、過去は変わらないし戻れない。全て受け入れ、ここから始めるしかない。
夢を見ること・信じることができる幸せ。
誰かがいなくなって心が動くこと。
きっと、ひとりぼっちじゃないと実感したいんだ。後半は涙が止まらず。
優しいやさしいお話だった。#読了 pic.twitter.com/e8iaMe2po1— sweetcloud (@sweetcloud66) April 19, 2020
重松清さんは早稲田大学卒業後まもなく、22歳で結婚しました。
当時は角川書店に入社したばかりの会社員、妻は大学の同級生。
28歳の時に長女、33歳の時に次女が誕生しました。
かけがえのない家族の物語をたくさん紡いできた重松清さん。
自身にとっての家族はどんな存在なのかをうかがわせるエピソードがありました。
それは自宅の階段の手すりが外れてしまい、手すりのない階段の昇り降りに違和感を感じた時のこと。
ふだんは意識しなくても、なくなると心許なくなるものは存在すると再確認したそうです。
これは自分がつらい時に心の支えになってくれるものと言い換えることができ、人によっては友人だったり、故郷だったり、音楽や小説だったりするのでしょう。
2023年は59歳を迎える重松さんですが、以前にくらべると少し痩せたようですね。
とはいえ病気の情報はなく、元気な活動状況をみると体調不良というわけではなさそうです。
還暦が近いこともあり、体調管理に努めているのかもしれません。
読者に人気の高い重松作品は?
2020年には山田孝之さん主演による『ステップ』が公開されました。
ドラマや映画では重松作品を観たことがあるけれど、原作小説は読んだことがないという方も増えているようですね。
重松清さんの小説は教科書にも採用されており、中学受験においては定番中の定番。
中学受験を控えた子供に重松作品を勧める父兄も多いそう。
子供向け・大人向けの作品はもちろんありますが、一人の作家が小学生にも大人にも支持されているところがすごいですね。
アマゾンの人気ランキングをみてみると、上位3作品は『その日のまえに』『きみの友だち』『くちぶえ番長』。
とりわけ『くちぶえ番長』は子供に読ませたい小説として人気が高いです。
子供が読めば登場人物に自分を重ね合わせ、大人が読めば自らの子供時代を思い出して甘酸っぱい気持ちになれる作品です。
転校を繰り返した生い立ちと吃音症
重松清さんは1963年3月6日、岡山県津山市に誕生。
家族構成は両親と妹です。
少年時代は大阪、名古屋、米子など転居を繰り返し、小学校6年から高校卒業までは山口県で過ごしました。
頻繁に転校を経験したのですね。
父親の職業が気になりますが、はっきりわかっていません。
重松清さんは子供の頃から吃音症であり、か行の発音が苦手でした。
会話する際は、か行ではじまる言葉を使わないようにしていたそうです。
成長してからは吃音症はだいぶ改善されたとのこと。
重松作品の中では、吃音症の少年を主人公にした自伝的小説『きよしこ』も人気の高い小説です。
重松清の上京後の経歴まとめ
高校1年生の夏に矢沢永吉さんの『成りあがり』を読んで衝撃を受けた重松清さん。
大学進学というよりも、「ビッグになりたい」「とにかく東京へ行きたい」という思いに突き動かされて上京しました。
平成世代にはピンとこないかもしれませんが、『成りあがり』は当時のベストセラーであり、とてつもないパワーに満ちた本。
この本に影響を受けた人が日本中に何人いるのかという感じです。
早稲田大学教育学部卒業後は角川書店に入社しますが、10か月で退社。
独立してフリーライターとなりました。
1991年に『ビフォア・ラン』で小説家デビューを果たしたあと、1999年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。
直木賞候補作『定年ゴジラ』『カカシの夏休み』の落選を経て、『ビタミンF』が2000年下半期の直木賞に。
2002年には『流星ワゴン』が『本の雑誌』の年間ベスト1に選出。
2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞しています。
2017年には早稲田大学文化構想学部の客員教授に着任しました。
読後に生きるのが嫌になってしまうような小説は書きたくないと語る重松清さん。
ご本人のこの言葉が、重松作品の世界観を端的に表していると思います。
家族、学校、仕事など身近な日常を切り取ったテーマが多いことも、幅広い世代の共感を呼ぶ理由なのでしょう。
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