『寺内貫太郎一家』を始めとした多くのドラマに出演し、晩年は日本映画界を支える名優となった樹木希林(きき きりん)さん。
日本アカデミー賞に輝き、紫綬褒章も授与されましたが、その演技力はどれほど凄いのでしょうか。
今回は希林さんの演技力をうかがわせる、手袋のエピソードをご紹介します。
さらに浅田美代子さんへの影響、阿部寛さんとの共演についても迫ります。
樹木希林のプロフィール
本名:内田啓子
生年月日:1943年1月15日
死没:2018年9月15日
身長:160cm
出身地:東京都千代田区神田
最終学歴:千代田女学園(現在の武蔵野大学附属千代田高等学院)
樹木希林の演技力は?手袋エピソード
TBSのドラマ『寺内貫太郎一家』での、手袋のエピソード。
希林さんの演技力を物語る伝説として知られています。
ドラマ内で演じたのは、小林亜星さん演じる主人公の母役でした。
当時31歳の希林さんが、70代の老婆役を演じることになったのです。
朝からシグシグ言ってるの、樹木希林がジュリー!って叫んでたヤツに似てるなと思ったら、当時の樹木希林は老けメイクした31歳だと知って私は pic.twitter.com/V6vhk2itMZ
— やくみバスター (@Krinvidia) February 3, 2015
しかも実年齢は息子役の亜星さんより、10歳年下だったという点でも、かなりの難役。
それでも希林さんは、「ぜひ演じ切りたい」と意気込みます。
髪を脱色して老け役に挑んだ希林さん。
しかし画像が鮮明だったため、手のアップになると調整室から、「肌がきれいすぎる」と指摘されます。
こうして希林さん自ら考案したのが、指の先を切り取った手袋をはめるというアイデアでした。
老けメイクだけに頼らず、自ら工夫して役作りする点に、彼女の女優魂が感じられます。
さらにプロデューサーの久世光彦さんと相談し、沢田研二さんのポスターを見つめ、「ジュリー」と言いながら腰を振る芸を考案。
芸は大当たりし、希林さんは見事にお茶の間の人気を獲得するのです。
今でこそ美しさと演技力を兼ね備えた女優は多いですが、彼女のように老け役を捨て身で演じる女優は見当たらないでしょう。
多くの若手女優の場合は、メイクで老けているように見えても、話し方やしぐさまでは老けて見えません。
希林さんは腰を曲げ、実際の老婆の佇まいをしっかり観察してまで、役柄を追究しました。
メイクに頼らず、実力で老婆を演じ切り、まったく違和感を抱かせない点はすばらしいですね。
高い演技力と共に、強烈な個性をも発揮できる、稀有な存在だったといえるでしょう。
浅田美代子への影響
女優でタレントの浅田美代子さんは、希林さんと家族同然の関係にありました。
亡くなる前日も、一緒に過ごしていたそうです。
2018年8月13日に左大腿骨を骨折し、入院していた希林さん。
浅田さんは病院で看病し、翌月に退院する際も自宅まで付き添いました。
翌日も訪ねるつもりでしたが、その日の夜に希林さんは死去。
おそらく死期を悟って、自宅で最期を迎えるために退院したのでしょう。
浅田さんはショックを受けたものの、今では最後の行動に納得しているようです。
親子のように信頼関係で結ばれていた2人は、2019年公開の映画『エリカ38』を共に作り上げました。
希林さんが企画を担当した本作。
アイドル、タレントとして活動してきた浅田さんに対し、女優としての代表作ができるようにと、彼女を主演に据えています。
映画公開を待たず亡くなった希林さん。
しかし浅田さんは、懸命に役を演じ、代表作を手に入れたのです。
浅田美代子主演 エリカ38 絶賛上映中です💙❤️🖤
きっと満足して映画館を後にできます✨
美代子さんのベッドシーンもあるよ🥰🥰🥰
大ヒット御礼舞台挨拶‼️#エリカ38 pic.twitter.com/RRJEWrRl7v— inappy (@inah2_y5) June 29, 2019
敬愛する大女優から影響を受けた結果、役者として一皮むけたといえるでしょう。
樹木希林と阿部寛の共演
最後に希林さんと阿部寛さんの共演についてです。
2人が共演したのは、2016年に公開された是枝裕和監督の映画『海よりもまだ深く』。
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されることを受け、阿部寛さん、樹木希林さん、真木よう子さん、是枝裕和監督がカンヌ入りし、フォトコールに参加しました! #海よりもまだ深く #カンヌ映画祭 pic.twitter.com/hGeEvmdFqn
— 海よりもまだ深く (@umiyorimo2016) May 18, 2016
売れない小説家と、団地に1人で暮らす母親を中心に、家族の生活を描いた作品です。
カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、国際的にも評価されています。
2人は老婆と小説家の親子役として共演しましたが、ユーモラスな掛け合いが見事でした。
ダメ息子を愛してやまない母親役の希林さん。
彼女の演技には、普段から後輩の阿部さんを思いやっていることが表れていた印象があります。
2人は2008年の是枝作品『歩いても 歩いても』で、すでに親子役を演じていたため、息がピッタリでした。
希林さんの死後、阿部さんは「2度の親子役は、一生の宝です」と語り、大女優の死を悼みました。
多くの実力派俳優に慕われ、影響を与え続けている希林さん。
その生き様は語り継がれ、直接彼女を知らない世代の俳優にも、末永く影響をもたらすことでしょう。
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